*この大会の役員選挙でJR総連は現職の鷲尾悦也事務局長の対立候補に福原委員長を立てた。鷲尾事務局長が前年「小さなことから(憲法)改正のくせをつけるべきだ」と発言し、改憲への傾斜を強めたことに反対の意志を示すためで、結果は鷲尾485票、福原49票、白票54票となった。日ごろ平和を口にしてきた大労組の大幹部たちも大半は鷲尾氏を支持した。
【事務局長選挙立候補表明】 JR総連執行委員長 福原 福太郎
福原でございます。先ほど議長が言いましたように、5分の間、非常にまぶしいと思いますけれども、ぜひご静聴の程をよろしくお願いいたします。
私は、連合公認の鷲尾さんに、あえて連合運動の活性化のために立候補いたしました。1989年に連合は結成をいたしました。その結成宣言の中で、希望に満ちた矢は放たれた、こううたいあげました。その通りだと思います。しかし、今日の連合はどうでありましょうか。私はあえてこの際、率直に意見を申し上げ、皆さんのご判断を仰ぎたいと思います。
私は、連合は病に侵されているというふうに認識をしております。一つは、組合員の連合に対する求心力が衰退をしているのではないか。そして、二つ目に、そのことを含めて、社会的影響力は弱いのではないか。そして、さらに重要なことは、時勢に対する認識が楽観的過ぎはしないかと思います。かつて1930年代に、東京帝大の河合栄治郎教授は言いました。「失業、社会不安、政治混乱の土壌は、ファシズムを生むものである」と。私は今、社会全体を見るときに、この河合教授の指摘していることを非常に危惧を持って考えているわけであります。
それでは、連合の活性化に処方箋はないのか。誰がやっても難しいことであることはよくわかります。分かりますが、ただ一つ、この点について明確にしておく必要があると思うのは、連合は、連合幹部は、国家やビッグビジネスの立場ではなくて、まさに職場で苦悩する組合員の立場に徹して、ある意味で頑固に闘い抜かなければならないということであります。いろんな諸事情があります。しかしながら、得に中小あるいは未組織の仲間は、いわゆるリストラの嵐の中で、歯を食いしばって働いております。私も釜たきで、かつては小企業のプレス工もやっておりました。職場の風景がよく見えます。その職場で苦吟している労働者の立場に立って、連合はまさに闘い抜けるかどうか、そのことが連合の今後の活性化につながるか否かになるだろうと思います。
三点ほど具体的に意見を申し上げます。
第一点は、雇用・賃金に関する問題です。難しい状況ですから、なかなか成果が上がらないということはあります。しかし、取り組みをやったら、その総括をきちんとした上で、新たな処方箋を出しませんと、闘いは積み上がりません。したがって、成果がなかなか上がらないだろうと思います。総括なき春闘改革は、新たな混迷をもたらすのではないかと思います。昨日来議論がありましたように、日経連の新たな労使関係なるものが打ち出されました。私は、本質的にこれは賃金破壊であり、雇用破壊であり、労働組合の団結破壊をはらんでいるものとおもいます。これへの対応いかんでは、大変なことになるぞという思いであります。雇用については最大の問題であります。連合が政府に向かって政策を打ち出すことそれ自身は大変重要なことでありますけれども、職場にまず首切り反対の闘いと結合していかなければ、大きな成果を生み出すことにはならないだろうと思います。
二つ目、政治の問題であります。政党との関係であります。私は、政治、政党、その活動を連合として行うことを否定するものではありません。しかし、今日の状況下では、政治の道具になりかねない。その点についてはっきりさせ、特定政党との支持・協力関係について、一線を画すべきである。そして、政策・制度要求を軸にして、悪政を懲らすという闘いを展開していけばいいだろうと思います。
三点目は平和の問題です。先ほど言いましたような情勢下で、憲法9条を守り広めるという運動を基軸にして、連合が市民との連帯の上にその先頭に立つべきであります。沖縄あるいはさまざまな問題が起きております。中・仏核実験、同じであります。声はすれども姿は見えず、これでは困ります。行動を具体的に起こしていくことが活性化につながるだろうと思います。
時間がまいりました。最期に代議員の皆さん方に二つ要請をいたします。
一つは、労働組合ですから、団体行動権はありますが、ぜひこの投票に際しては、団体行動権を放棄していただいて、代議員個人個人の判断で投票していただくようお願い申し上げます。さらに、今日の投票結果は、連合活性化に向けての終わりではなくて、まさに始まりであると。職場で、選挙の意義について大いに議論をつくしていただきたい、そのことを要請いたしまして立候補の決意表明にかえます。
ありがとうございました。
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