*この年の9月、労働基準法改正案が共産党を除く与野党の賛成で成立した。その内容は連合対案からも大きく後退したもので、女性保護規定の撤廃ともあいまって休日・深夜を含め長時間労働を拡大する内容だった。JR総連はここに至る連合の取り組み経過をただして発言した。
【発言】JR総連 水澤 隆中央委員
私は、先ほど事務局長から報告がありました経過報告、この中の2点について私の考え方と、それから解明すべき点について表明しておきたいと思います。
一つはもちろん、労基法問題であります。この労基法、これまでいつくかの論議をしてきたわけでありますけれども、1995年のかの日経連が打ち出した「新時代の日本的経営」、この中における労働市場の規制緩和、ある意味では労働力の賃金コストを抜本的に下げ、なお労働力のジャスト・イン・タイムを法的に保証するものである。このように分析しながら、私たちは闘ってきました。
連合も昨年の第5回大会において、先ほど事務局長も話をしておりましたけれども、これまでのさまざまな限界を突破して、「力と行動」、これを大きく掲げて、この中心に労基法反対の闘いを位置づけ闘ってきました。
これまで連合の顔が見えない、連合は政治づいているのではないか、額に汗して働く現場の労働者に根ざしているのかどうか、未組織労働者が組織化された場合に、その求心力を持っているのかどうか、このようなことを随分論議をしてきました。その限界を突破して、一つの大きな区切りをつけたのが、かの5回大会であり、これまで闘ってきた労基法反対の闘いでありました。大衆行動をつくってきました。中央、地方におけるところのキャラバン隊、討論集会、座り込み闘争、さまざまな宣伝行動、そしてこの過程において、一定の労働組合や地方連合において組合員数の拡大や新たな労働組合の拡大を同時に勝ちとってきました。マスコミもまたこの過程において、連合の変身という形でプラスの意味を評価をしてきたということも事実でありました。
そしてこの闘いが、一方においては、かの参議院選挙において、反自民、そしてわれわれが推薦をしている連合の候補者の大きな躍進という形においてつくり上げてきました。けれども、このような闘いが労基法改悪反対の最終局面において、組合員にとっては誠に不透明でわかりずらい、そのようになったこともまた事実であります。
先ほど事務局長が話しておりました、来年4月1日の施行まで中基審の中における取り組み、あるいは運動をも展開しなきゃならない。このようにおっしゃっておりました。政府や日経連は、この労基法の抜本的見直しという法案の性質を機に既に問題になっております労働者は派遣事業の改悪の問題、これを中心とするさまざまな労働者保護の法制を改悪しようとしていることをこの段階においてはっきり打ち出しております。
最低賃金の問題や、あるいは雇用保険法の問題、さらには労働委員会制度の改悪を含む労組法の改悪問題、さまざまな問題を虎視眈々と狙っていることであります。
したがいまして、この問題も含めて、労基法改悪反対の闘いの総括をさらに深く具体的にすることが、これからの闘いの基底をつくるものであると、私は信じております。
その点で、分かりづらい点について若干申し上げます。
当初の連合の方針は、昨年の第5回大会においては、男女共通規制の法制化を図る、それから長時間労働を容認する裁量労働制の導入並びに変形労働時間制の要件の緩和はしないこと、これでありました。そして、先ほどいわれております連合の対案、3つありました。時間外休日労働の上限時間については、法文に明記させる。新しい裁量労働制の導入を原案から削除する。そして3つ目は、変形労働時間の要件緩和の前提条件として、週所定労働時間をさらに短縮させるということでありました。さまざまな過程的な問題がいろいろあったでしょう。けれども、当初のこの第5回大会の方針並びに連合対案との関係において、この結果をどのようにわれわれは評価するのか。これとの関係においてさまざま分かりづらい点があったわけでありますが、それはどういうことだったのか、このことについて明らかにしてほしいということであります。
時間がありませんので2点目であります。
一般経過報告の中の22、23ページに、雇用安定創出にかかわる考え方というのか載っております。今フランスの政府におきましては、法定労働時間39時間から35時間へ短縮することを決定いたしました。実施することになりました。これはフランスにおける最高水準で推移している失業、これをどのように解消するかという形で、思い切ってこの35時間制度をつくったわけであります。もちろん多国籍企業を含む経営陣は、労働コストがアップすると、国際競争力が低下することで猛反発いたしました。けれども、このフランスにおける失業率の、同時にこれは社会不安を醸成する、このような観点からもこのような問題を打ち出し、雇用創出を考えたわけであります。
そしてもう一つは、若者の失業率、20%を超えている現状の中で、彼らに希望ある未来をつくりあげていこう、このような形で公的部門に、もちろん常用労働ではありませんけれども、雇用を創出いたしました。フランスにおいてこのようなことを、今連合が進めている雇用安定に関する考え方の、どのように評価するかどうか、このことについても、これからの問題という形において明らかにしてほしいということであります。
以上であります。ありがとうございました。
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