連合第6回定期大会 1999年10月14〜15日

東京国際フォーラム・ホールA

 

*笹森事務局長が掲げた「力と行動」のスローガンを受け、JR総連は春闘を含めさらに求心力のある行動の実現を求めて発言した。また、JR西日本のトンネル崩落問題、JR東海の監視カメラ問題に対する闘いについて報告し、理解と協力を求めた。さらに、この大会で採択された政治方針の見直しに対し、反対の意見表明を行った。

【発言】JR総連 山下 信二代議員

 スローガンにあります力と行動について意見を述べます。
 笹森事務局長から、政策や要求の実現、前進のためには具体的な行動が必要であることが提起されました。私もまさにその通りだと思います。さきの第145通常国会で、連合は派遣法などの課題について国会前座り込み行動など、具体的な行動を展開いたしました。しかし、その一方で、先ほどアキレス腱という話もありましたが、新ガイドライン関連法、組織犯罪対策法、国旗・国歌法、住民基本台帳法、さらには憲法調査会設置法などに対する連合の対応は不十分なものと言わざるを得ません。
 JR総連は、これら法案が国際紛争の解決に武力を用いたり、通信の秘密を侵し、プライバシーの侵害につながるなど、憲法に違反する危険きわまりない法律であることから、廃案を求めて闘い抜いてまいりました。しかし、これら法案は、事務局長談話でも指摘しているとおり、十分な審議も行われないまま、自自公による強行採決、まさに数の暴挙によって成立を許してしまいました。
 8月3日、市民団体と共催で、鷲尾会長の呼びかけによる盗聴法反対の集会が持たれました。力と行動を具体化したものとして評価できるものと思います。しかし、もう少し早い時期に連合の力を示す行動ができなかったものかと悔やまれてなりません。なぜならば、国会内において自自公が多数を制していることは従前から分かっていることであり、これに対抗するには国会外における闘いを強化すべきだったからであります。連合が具体的に行動を起こすことによって、さらに世論の喚起を促し、政府をもっと追いつめることが可能であったと思います。既に、次の臨時国会に向けた自自公連立の政策協議の中には、PKF凍結解除や有事法制化などが盛り込まれております。このまま手をこまねいていれば、またもや平和を脅かす法律の制定を許すことになります。
 もちろん、この種問題については、連合内でも様々な意見があることと思います。その場合、私はその基軸を憲法におくべきだと思います。憲法に照らして、明らかな違反はもちろん、少しでも疑問がある場合においては廃案、少なくても十分な修正を求めるべきであり、その実現のための具体的な大衆行動を展開すべきであると考えます。
 次に、以上のことと関連して、2000年春闘に向けて述べたいと思います。連合方針をめぐっては、労働条件委員会等において論議がされてきたところでありますけれども、連合への求心力を高めるために、春闘においても力と行動を具体化すべきだと思います。要求の実現のために労働組合が団結と連帯を打ち固め、統一して闘う、共同して行動するという春闘の意義は、厳しい状況においてこそますます大切にしなければなりません。統一闘争、共同行動を適切な時期に具体的に提起することが、連合の任務だと思います。ぜひとも力を示す行動の積極的な指導をお願いしたいと思います。
 そして、一緒に闘う、ともに行動するわけですから、共通した目標はどうしても必要です。さまざまな論議があっていいと思いますけれども、やはり統一闘争に向けた共通の目標、ここに向かって闘うという統一要求をつくり、具体的に行動していかなければ厳しい状況は突破できないと思います。現下の情勢の中、組合員の雇用と労働条件の維持・向上を図り、平和、人権、民主主義を守り、その基軸である憲法を守る。そのために今こそ連合は力と行動を具体化すべきだと思います。
 次に、2点ほど要請があります。
 一つは、安全問題です。10月9日、山陽新幹線の北九州トンネルでコンクリート落下事故がまたもや発生いたしました。6月、福岡トンネル事故からわずか3ヶ月、8月、JR西日本が発布した今後10年は大丈夫という安全宣言から僅か2ヶ月であります。会社は、コールドジョイントと呼ばれる施工不良個所についてだけしか点検・補修を行っていませんでした。そして、安全宣言について、コールドジョイント部分についてのみ大丈夫といった、今回の打ち込み部分の落下は想定外だったなどと無責任きわまりない発言を行っています。一歩間違えれば、高速で走る新幹線ゆえに大惨事に直結する重大な問題です。想定外であったではすまされません。専門家は、同時期に開通した全線区について、トンネルだけでなく、高架橋などコンクリート構造物全般にわたって危険であることを指摘しており、運行をとめて補修すべき。もう一私企業に任せておける問題ではない。国が強制的にやらせるべきと述べています。私たちは、総点検を求めてきましたけれども、夜間点検のみで運行は停止しない方針であります。今この瞬間も新幹線は高速で走っています。事故が起きてからでは遅いわけです。関係省庁への要請など、ぜひとも連合のお力添えをお願いしたいと思います。
 連合結成10年、JR総連は心新たに連合労働運動の強化と組合員のための労働運動にさらに努力していくことを明らかにして、発言にかえます。ありがとうございました。

【発言】JR総連・JR東海労 伊藤明男代議員

 一点だけお願いがありまして、発言をさせていただきます。
 私自身はJR東海に働いていますが、東京駅の近くに東京運転所という東海道新幹線の運転士が350名ぐらい働いている職場がございます。実は、その職場でここ数年監視カメラがずっとついておりまして、一般の方々が出入りするところのカメラはそれは必要性は、私たちもそうだと思いますが、乗務員がくつろいでいる休憩場所にも四六時中カメラが回っているんであります。交通労働者の安全という側からしますと、労働時間外においてもゆったりすることが出来ないということによって、極度の緊張感が継続をされるという状態におかれているわけです。したがって、JR総連および単組は、この現状を変えるためにさまざまな要請行動などを行ってきたわけですが、この4月30日に東京弁護士会の人権擁護委員会からこの監視カメラは労働者の人格権の侵害にあたるという警告文書をJR東海の会長にあてて発したわけです。それらを受けまして、私どもも会社に対してこの部分のカメラについては、撤去するようにということで、申し入れをしたんでありますが、現状なかなか撤去するという事態に至っておりません。
 したがって、私どもは、連合傘下の各産別や、連合東京傘下の各労働組合の皆さんに署名の要請行動に、実はあがらせてもらっています。いくつかの産別の皆さんからはいただいたのですが、ぜひ人権を守るということと、それから、交通労働者の安全を守るという側からぜひ連合本部におかれましても、この署名運動についてのご指導をいただきたいということをよろしくお願いいたします。ひとつお願いいたします。

【発言】JR総連 小田 裕司代議員

 政治方針の見直しにつきましては、6月の中央委員会でも、私どもの考え方について述べさせていただきました。その際、JR総連としても、特に国の基本政策にかかわる考え方について、対案を出させていただくということで、既に連合の執行委員会のほうにも出させていただきました。
 この場をかりて、ご検討いただくことにつきまして、心からお礼を申し上げたいと思いますし、その対案を、私たちは、きょうもお見えの多くの産別や単産の皆さんにも、ご説明にあがらせていただきました。多くの激励をいただきましたことにつきまして、この場をかりてお礼申し上げたいというふうに思います。
 事務局長のほうから、対案について、見直しについての考え方については、幾度も説明がありますので、時間が限られていますので、私どもの見直し案、国の基本政策に関する連合の態度にかかわる点につきまして、意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、日米ガイドライン関連法に関してであります。 
 ガイドライン関連法案は、3月の連合見解で、民主主義の原則にのっとり、慎重審議を要請したにもかかわらず、政府は、北朝鮮のテポドンや不審船をめぐる事態を巧みに世論操作、誘導し、ろくな審議をすることなく、自自公の数の力で強行可決しました。ガイドライン関連法は、8月25日、法として施行されました。これによって、官民を問わず、米軍の戦争行為に協力する体制がつくられました。労働現場や生活の場が戦場と化す危険が現実のものとなったわけです。
 私たちJRも、自衛隊法101条によって、武器、弾薬、兵員の輸送を担わされることになりました。まさに一朝事が起きれば、山手線や新幹線も軍事物資の輸送に使用されることになります。あのユーゴ空爆でも、鉄道やバスなどが攻撃対象とされたことを見れば明らかなように、私たちも生命の危険にされされることになりました。
 ところで、連合案によりますと、従来のあいまいで具体性のない防衛論議から一歩踏み込んで、国民的な議論を提唱していますが、この案ですと、今ほど指摘したガイドライン関連法を積極的に支えることになると私は危惧しますし、反対であります。ガイドライン関連法は、米軍の軍事行動への協力を決めたものであります。この協力は、国際紛争の解決に武力を用いることを禁じた憲法に違反することは明らかであります。連合は、憲法違反のガイドライン関連法が、国民的議論が不十分なままで強引に可決制定されてしまった反省をふまえて、あくまで憲法と平和を守る立場から、ガイドライン関連法の発動をさせない国民的な議論と運動をつくることをあえて要請をしたいと思います。
 そのために、ガイドライン関連法の成立に伴って、官民への協力体制が決められました。私たちJRも、先ほど明らかにしたことが予測されます。自治体にあっても、施設の提供などが言われておりますが、その詳細はほとんど明らかになっていません。 
 そこで、お願いであります。連合加盟の産別にかかわる自治体、民間への協力の内容の手続きなどの把握と、それを通じたガイドライン関連法の発動を許さない、職場からの戦争への協力を拒否する闘いを広くつくり出すことをお願いします。
 次に、憲法問題についてであります。
 先の国会では、新ガイドライン関連法案をはじめ、盗聴法である組織犯罪対策法、国旗・国歌法、国民総背番号制の住居法などの法案が、ろくな審議をすることもなく、自自公の数の力で次々と成立せしめられました。
 JR総連は、午前中に報告しましたように、これらの法案が現行憲法に明確に違反するものであることを明らかにして、国会内外で反対の闘いを展開しました。しかし、残念ながら、それらの法案は数の論理によって成立することになりました。しかも、先の国会では、憲法調査会の設置を盛り込んだ国会法の改定も行われました。いよいよ来年の通常国会から、改憲に向けた具体的な国会での議論が始まります。いや、改憲に向けた自民党や一部の改憲グループの動きは活発に展開されております。
 さきの自民党総裁選や民主党の代表選において、堂々と改憲論が語られています。民主党の改憲論には特に危機感を抱きます。昨日も見えましたけれども、鳩山代表の改憲論はニュアンスの違いがあるとはいえ、現行憲法の特に平和を柱とする精神を否定するものであります。結果において、鳩山さんの意見は自民党の改憲論にさお差すものでしかありません。現に改憲グループの世論づくりに積極的に活用されていることでも明らかであります。戦争に反対し、平和を求めることは労働組合運動の根幹でもあります。3,000万に及ぶアジアと日本の人民の犠牲の上に、この憲法はつくられました。この憲法を守り通すことが私たち労働組合の大きな使命であります。
 会長や事務局長から、連合は、あくまで憲法の精神を守る、平和、主権在民、基本的人権を守るというふうにいわれておりますから、この見直しにありますように、時期尚早はまさに不適当であると思います。従来どおりの方針を堅持することを要請します。
 以上申し上げ、政治方針の見直しに対するJR総連の対案の考え方を明らかにさせていただきました。よろしくご検討をお願いします。


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