自衛隊の多国籍軍への参加に反対し、即時撤退をもとめる

 政府は6月18日の閣議で、今月30日のイラクへの主権移譲後に編成される多国籍軍への自衛隊参加を決定するとともに、自衛隊の活動の原則を示した「政府見解」を了承しました。これは従来の政府見解では、多国籍軍への参加は憲法上許されないとされてきたにもかかわらず、いっぺんの国会審議を経ることもなく閣議了解だけでそれを変更し決定したのです。さらにこの日の閣議では、イラク復興特別措置法施行令の改正と自衛隊の活動内容を定める基本計画の変更についても決定しました。ともに多国籍軍の任務を記した国連安保理決議1546を自衛隊の活動根拠として追加したもので、基本計画では「連合軍司令部施設」を「多国籍軍の司令部施設」に改めるなどの修正を施しています。
 この日、了承された政府見解では、国連安保理決議の「under unified command」を「統合された(多国籍軍)司令部の下のあって同司令部との間で連絡調整を行う」と訳し「同司令部の指揮下に入るわけではない」「わが国の指揮に従う」ことを強調しています。また、自衛隊は「非戦闘地域で活動し、他国の武力行使とは一体化しない」「従来の政府見解は変更しない」としています。
 しかし、「多国籍軍司令部の指揮下には入らない」という政府見解に対して、米国防総省のロドマン国防次官補が先の国連決議の文言は「米軍の指揮と理解される」と発言していることや、日本政府が米英両政府から了解を得ているとされる相手が、大使に次ぐ職の公使による口頭了解にとどまっていることが明らかになっています。つまり政府の「多国籍軍とは一体化しない」との政府見解の根拠は非常にアイマイであり、具体的な担保が確保されているわけではありません。小泉政権は、これまでの有事法制や年金法の強引な成立の手法と同じく、国民に十分な説明や議論をしないままに、いままたなし崩し的に国の進路を左右する重要な決定を下したのです。
 6月30日の主権移譲を前にイラクでは連日のように戦闘状態が続き、外国人を狙ったテロも各地で頻発しています。くわえて米英政府がフセイン政権攻撃の大義とした「大量破壊兵器の存在」が虚構であったことや、アルカイダ組織とフセイン政権のつながりがなんら証明されないままブッシュ政権の政治的思惑だけで対イラク戦争が強行されていたことも明らかになっています。いまやイラクに戦火と殺戮と混乱をもたらした元凶はアメリカ・ブッシュ政権であることは明白です。しかし、小泉首相は日本国内で議論をする前に、シーアイランド・サミット(G8)現地でアメリカ・ブッシュ大統領との間で「多国籍軍への自衛隊参加」をいち早く約束したのです。
 私たちはこれまで平和憲法を守り世界平和を希求する立場から、アフガン戦争やイラク戦争の即時停止と国連のもとでの平和的な人道復興支援などを求めてきました。私たちはそのような立場から、今回の政府決定にも強く抗議し、自衛隊の多国籍軍への参加に反対するとともに、イラクからの自衛隊のすみやかな撤退を求めるものです。
 

2004年6月19日

全日本鉄道労働組合総連合会(JR総連)


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