JR西日本の経営姿勢を糾し
安全な鉄道を創造するための特別決議
 

 4月25日9時19分頃、JR福知山線で列車が脱線転覆し、107名の方が亡くなり549名が負傷されるという大事故が発生した。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、怪我をされた方々の一日も早い回復をお祈りする。事故の直接原因は国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調査結果を待たなければならないが、事故の背後要因を解明し、再発防止策を打ち立てなければならない。

 1990年、JR東日本の労使は「鉄道の安全」をテーマに国際鉄道安全会議を呼びかけた。事故の再発防止には責任追及ではなく原因究明が必要だということが世界の共通認識となった。しかし、当時の井手副社長は「安全は経営の問題であり、労働組合には関係ない」としてJR西日本の労使にこの会議をボイコットさせた。その翌年JR西日本は信楽高原鉄道で列車が正面衝突するという大惨事を引き起こした。2002年には列車にはねられた中学生を救出していた救急隊員を死傷させるという事故を起こしている。今回の事故もこうした経営陣の運行第一の経営姿勢が生みだしたものと断ぜざるをえない。

 服部匡起さんが自殺に追いやられ、多くの鉄道労働者が自ら命を絶つという痛苦な現実のなかで、私たちは懲罰的な、見せしめの「日勤教育」に反対してきた。また、現場の労働者にのみ責任を押しつけ、運行・利益優先の企業姿勢を指摘し改善を求めてきた。にもかかわらず、このようなJR西日本の「企業体質」を変えることができなかった私たちの力不足と責任を痛感する。

 国会に参考人招致されたJR西日本垣内社長は「企業風土を改革していく」と繰り返し述べ、5月31日には国土交通省に「安全性向上計画」を提出した。そして事故で不通となっている区間の運転再開にむけた工事を開始した。しかし、JR西日本は事故を真摯に反省し、経営陣自ら企業体質を変えようとしているとは到底思われない。あわせてこのような企業体質を擁護し、支えてきたJR連合・JR西労組の存在も厳しく問わなければならない。

 JR総連は、これまでJR西日本によって犠牲となった多くの方々に、職場から安全な鉄道を創造することを誓う。

 鉄道で働くすべての仲間に訴える。無理な回復運転はやめよう。危険を感じたら列車を止めよう。いま再び1988年の東中野駅構内での列車追突事故を教訓とした原点に立ち返ろう。そして安全が何よりも最優先する企業風土を創り出そう。

 さらに、箱根以西の仲間は、「日勤教育、裏面添乗はやめよ」「昇進賃金制度・乗務員勤務制度を元に戻せ」「一切の不当労働行為をやめよ」をかかげ、企業体質を変革する闘いにすべての職場から決起しよう。

 私たちは、多くの犠牲をだしてしまった今回の事故を教訓とし、いま一度「責任追及から原因究明へ」の安全哲学を堅持し、鉄道の安全に向けて邁進する。そのために経営の論理と闘うことを明らかにする。

 

 2005年6月6日

全日本鉄道労働組合総連合会第21回定期大会

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