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憲法違反の人権擁護法案・個人情報保護法案に断固として反対する メディア規制3法案のうち、人権擁護法案は4月24日の参院本会議で、個人情報保護法案は翌25日の衆院本会議での国会審議が開始された。小泉首相は、「報道の自由の名のもとに人権を侵害してはいけない」「人権・プライバシーの保護と表現の自由は両立できる」「この法案は国民生活を守るのが狙いで、報道の自由、表現の自由を侵害するものではない」「メディアを規制する公権力による関与・罰則もない」と述べている。 しかし、メディアによる人権やプライバシー侵害の問題は本来、報道機関の自主的な対応で解決をはかるべきであり、メディア自身の自覚・改善努力に任せるべきである。それを個人情報保護や人権擁護を名目に、報道の自由に制約を加えることは、権力を監視する立場にあるメディアにとって「言論の死」を意味することになる。 人権擁護法案は、差別や虐待など人権侵害からの被害者救済を行う「人権委員会」を法務省の外局に新設するのが柱だが、同委員会が行う特別救済に報道機関の過剰取材に対する停止勧告の権限などを与える内容が含まれている。これは、国民の知る権利に応えるための「熱心な取材」「粘り強い報道」を制約するばかりか、政府からの独立性が保障されていない人権委員会が、恣意的に人権侵害を判断し取材停止勧告などを行う危険がある。 個人情報保護法案は、個人情報を取り扱う際の基本原則と、個人情報取扱事業者が守るべき義務規定が柱である。そもそも、個人情報の保護は改正住民基本台帳法の成立を契機に策定されたもので、行政機関が勝手に個人情報を利用しないよう歯止めをかけるためのものである。それを民間、とりわけ報道機関にまで範囲を拡大することは本末転倒である。報道機関については、義務規定を適用除外されたが基本原則は適用される。このため、取材源の秘匿が脅かされたり、情報提供や内部告発などの取材が制限されることになる。 民主主義の根幹をなす「国民の知る権利」は、あらゆる機関から独立したメディアが存在してはじめて保障される。「報道の自由」が権力の監視下に置かれるようになったら、その国はもはや民主主義国家ではない。「個人情報保護」「人権擁護」の美名のもとに、政治家や官僚の腐敗・堕落を報じる社会的使命を持つ報道機関に対し、報道管制を行う法律が制定されようとしているのだ。 メディア規制法案が、有事法制関連3法案と軌を一にして国会に提出されたのは偶然ではない。国家総動員体制を法制化する有事法制と、言論統制を行うメディア規制法案は車の両輪であり、戦争を準備するためのものに他ならない。現に有事法制関連3法案では、NHKが「指定公共機関」とされ、有事対応への協力が強制されている。これで、平時から有事に至る報道管制・情報統制の仕組みが整うことになる。メディア規制法案は、国家が個人の情報を管理し、国民から情報を遠ざけることに狙いがあるのである。 JR総連は、憲法が保障する「表現の自由」「言論の自由」を脅かし、公的機関のメディアへの不当な干渉につながる、人権擁護法案・個人情報保護法案に断固として反対するものである。 2002年5月9日 全日本鉄道労働組合総連合会(JR総連) 第13回執行委員会 |