2001年8月2日

bS82

全日本鉄道労働組合総連合会  

戦争を美化し、侵略を正当化する教科書の採用を許すな!

東京都教育委員会へ怒りの抗議・要請を! 

 東京都教育委員会は、都立養護学校で使用する教科書を決める臨時会(非公開)を8月7日に開きます。すでに同委員会は、都立擁護学校(中学部)の一部で、扶桑社の「歴史」と「公民」の教科書を採用する見通しであることが報道されています。7月26日に開かれた委員会(非公開)で委員6名による無記名投票が行われました。その結果は以下の通りです。

【歴史】
 病弱養護学校     扶桑社4名、日本書籍2名
 知的障害養護学校  扶桑社3名、日本書籍2名、帝国書院1名
 ろう学校         扶桑社3名、帝国書院3名(後日再投票)
 肢体不自由養護学校  扶桑社2名、日本書籍4名

 4月3日、現行教科書を「自虐的」と批判する「新しい歴史教科書をつくる会」が主導した扶桑社の教科書が、文部科学省の検定を合格しました。検定意見に基づき、多くの箇所を修正したとは言え、全体的に「皇国史観」に貫かれた内容です。歴史教科書問題は、アジア諸国からの猛反発を招き、韓国政府が日本政府に検定済み教科書の修正を求めるという過去に例のない事態に発展しています。

 公立学校で使う教科書は、その学校を設置する自治体の教育委員会が決めます。地域の公立中学校の場合は市区町村の教育委員会が、県立高校や養護学校などは都道府県の教育委員会が採択権を持っています。検定合格以降、扶桑社の教科書の採否が注目されていますが、現在のところ542地区中、7月31日までに採択結果を公表した約170地区では扶桑社の教科書は採用されていません。マスコミの調査によっても約40の道府県では、全地区で採用の可能性が低いことが報道されています。

 こうした結果は、極めて常識的な判断であり、扶桑社の教科書が「ふさわしくない」と多くの人たちが考えているからに他なりません。東京都教育委員会の決定は、こうした民意に逆行するものです。

 石原東京都知事は4月、区市町村の教育委員に対して「自分の良識で教科書を採択して欲しい」と異例の要請を行いました。知事は教育委員会の審議に直接の影響力を行使する立場にはありませんが、再任2名を含め教育委員5名を任命した責任者です。

 JR総連は戦争を美化し、侵略を正当化する歴史教科書の採用を強行しようとしている東京都教育委員会へ怒りの抗議・要請を呼びかけるものです。

            《要請先》

東京都教育委員会 教育長 横山洋吉殿
〒163−8001 新宿区西新宿2−8−1
TEL 03−5320−6701
FAX 03−5388−1726
e−mail:kotyo@kyoiku.metro.tokyo.jp

 

2001年8月2日 

 東京都教育委員会

  教育長 横山 洋吉 殿

                                  全日本鉄道労働組合総連合会 

                  執行委員長  小 田 裕 司 

 

要  請  書

 貴教育委員会は、都立養護学校で使用する教科書を決める臨時会を、8月7日非公開で開き、そこで「新しい歴史教科書をつくる会」(扶桑社)の教科書を採択しようとしていることが報道されています。

 私たちJR総連は、この間、憲法九条を守り広める運動や、中国に小学校を建設する運動を組織をあげて展開してきました。それは日本の過去の侵略戦争を反省し、子供たちの未来のために平和な社会をつくるための取り組みです。 

 貴会の採択しようとしている「つくる会」の教科書は、「日本国家を愛する」ことを口実として侵略戦争を美化し歴史の事実に目を背ける内容であり、私たちは決してそれを認めることはできません。

 平和な社会は、近隣諸国との友好なしに実現できません。中国や韓国からは、「つくる会」の教科書に対して多くの問題指摘がされています。

 問題点の多いこの扶桑社の教科書に対して、さらに多くの地区で再協議となったり不採択となっていることを考えれば、今、貴会が「つくる会」の教科書を採択することは、将来にわたって禍根をのこす重大な過ちとなると考えます。

 歴史の事実に目を向け平和な未来をつくるためにも、貴会が「つくる会」の教科書を採択しないことを切に要請する次第です。