No.7

公判で次々と露呈する「事件」の真相 2

職場での討論を犯罪に仕立てるマジック

 つくられた警察、検察のストーリーをYは懸命に主張しました。

 しかし、語れば語るほどボロが出てきます。

 

“つるし上げられた”

弁護人:あなたが発言することは認められていなかったのですか。

 Y :質問で聞かれることはありました。これ以上つるしあげを受けないよう、考えながら 回答したのですが聞き入れてもらえませんでした。

弁護人:Pさん(注:Yにウソの報告をするように指示をした人物)の言うこととあなたの言うことが食い違ったから質問されたのではないですか。

 Y :脅しの一環として聞かれました。誹謗中傷を浴びせられました。

弁護人:誹謗中傷とは具体的にどういうことを言われたのですか。

 Y :嘘をつく人間には電車を運転する資格はないと。

弁護人:議論しているのではないですか。

 Y :答えても受け入れてもらえなかったから議論ではないです。

 無理やりすべてを「つるし上げ」「脅し」「誹謗中傷」と強弁させられています。

 

“待ち伏せされた”

弁護人:交代のところでAさんに会ったのですね。

 Y :待ち伏せされていたのです。

弁護人:Aさんがあなたの乗務する電車の一本前に乗務していたことはわかりますね。運転士はホームから出て行く電車の状態監視をすることになっていますが、その時間はどのくらいですか。

 Y :電車がホームを出て行くまで。

弁護人:この電車は14時04分30秒に出発した。

 Y :これを見るとそうなると思います。

弁護人:Aさんがあなたの乗務する一本前の電車に乗務してきたことを知っていましたか。

 Y :いま知りました。

弁護人:Aさんはたまたま一本前の電車に乗ってきて休憩室にいた。それをあなたは待っていたと思いますか。(注:この路線は5分間隔ほどで運行されています)

 Y :待っていたと思います。

弁護人:あなたは検察官に「待ち伏せしていたかどうかはわからない」と話をしていますが、待ち伏せしていたと思っていなかったのではないですか。

 Y :今は記憶にないということです。

弁護人:どちらの記憶がないのですか。

 Y :…(沈黙)

裁判長:待ち伏せしていたということの記憶か、そう思っていなかったという記憶かと聞かれていますが。

 Y :待ち伏せしていたと記憶しています。

 何が何でも「待ち伏せ」されたと言い張るよう言われているのでしょうか。

 

“取り囲まれた”

弁護人:その時のBさんと証人との位置関係は覚えていますか。

 Y :はい。

弁護人:どれくらい離れていましたか。

 Y :2メートル25センチ

弁護人:声をかけてから距離をつめていますか。

 Y :憶えていません。

弁護人:Bさんはイスに座っていますが、立ったり寄ってきたりしましたか。

 Y :おもにここにいたというような説明をしました。

弁護人:警察では何と言ったか憶えていますか。「取り囲まれた」と言っていますが。

 Y :そう言ったと思います。

弁護人:これが取り囲まれたということになるのですか。

 Y :私はそう思いました。

弁護人:取り囲まれるというのは、逃げ場をたたれるとか、そういう状況を言うのではないですか。

 Y :逃げ出せる精神状況ではないということからそう思いました。

 これもはじめに「取り囲まれた」という結論があるのです。

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